くわだてありき

田橋るう(たばし るう)です。吹奏楽とかアトマネとか高架下とかのはなしをしてます。

MidwestClinicはじめてレポート(その1・20日)

 今回はじめてMidwestClinicを訪れることとなり、せっかくの機会なので毎日レポートを書いていきたいと思います。アメリカはじめての筆者ですが、とぼしい英語で悪戦苦闘する様子も含めてお読みいただければ幸い。

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 ミッドウェストの正式名はThe Midwest Clinic International Band, Orchestra and Music Conference。1946年に120名のミュージック・ディレクターたちの会合として始まったというので、なんと今年で71年目の開催。バンドだけでなくオーケストラやジャズなども含まれるのは、意外と知られていないかも。毎年開催会場となるマコーミック・プレイス McCormick Place (West)は非常に大きなカンファレンス会場です。西館のみを使用しているのですが、会場面積としては東京国際フォーラムまるごとくらいを想像していただければと思います。
 会場に着くと、まずはregistration(登録)を行います。参加形態に応じた受付が並びますが、時間帯によってはとんでもない行列になっていました。はじめての参加者は、参加証に”First time Attendee”という白いリボンがついてきます。

 巨大なカンファレンス会場についても触れたいところですが、それはあとでまとめて記すことにして、まずは本日観たSessionについて。

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◆8:00〜9:20 Brass Band of Battle Creek(BBBC)
 初日のいちばん最初は、プロバンドの演奏で幕開けです。
 バトル・クリークは交響楽団の奏者や大学教授たちで構成されたプロのブラスバンド。ブラック・ダイク・バンドの演奏で有名な”Music for battle creek”は彼らのために書かれたものです。
 シロフォンのソロや「チュニジアの夜」などのジャズ、ストラヴィンスキーの「火の鳥」セレクションなどバリエーションゆたかなプログラムでした。ジョー・アレッシ(ニューヨークフィルのソロ・トロンボニスト)のソロが圧巻。
 会場は375ABという、軽く1000人くらいは座れそうな大きなところです。演奏会場となる場所は基本的に四角いカンファレンス会場で、どこも同じようにステージ上に組み立て式の反響板、うしろを黒いカーテンで覆ってBackStageにしているようでした。

 

◆13:15〜14:15 Kell High School Ensemble
 40〜50名ほどの高校生のバンド。マーチングバンドとしても、コンサートバンドとしても、多くの輝かしい成績を収めているようです。早いパッセージを難なく吹きこなす高い技術力と、アンサンブル能力の高さを感じる演奏でした。グレード1から最大6までの作品すべて聴きごたえがありました。こちらでグレード1というと、易しく書いてあるというだけでなく曲の短さも大きなポイントのようです。今回彼らの演奏したグレード1の「Trampoline Jump」は性格的な作品で、長さが2分ほどととても短くできていました。
ちなみに会場で配っていたのは表裏に曲名だけかかれた簡単なもので、詳しいプログラムノートはQRコードでサイトから読めるようになっていました。http://www.kbba.org/midwest-program
 ローマの松ではバンドと同じくらいのバンダ隊(大人)が出てきて客席で一斉に演奏、迫力の大団円となりました。アンコールのLOL(Lajgh and Loud)はRpbert Buckley による2016年の作品で、日本でもアンコールに流行りそうなファニーな一品。
 基本的にこうしたコンサートは大抵75分間のプログラムで、作曲者が会場にいる場合は、演奏後にもれなく立ち上がって賞賛を受けます。(最後の曲で指揮者があやうく紹介を忘れかける一幕もありましたが・笑)

 

◆16:30〜17:00 An Innovative Approach for Including Special Education Students in the Instrumental Ensemble
 今度は1階のW180という小さい会場(約100名収容)に場所を変え、無謀にも短いプレゼンテーションのセッションを試してみることに。タイトルの通り、障がいを持ったこどもに楽器を教える際の事例紹介でした。当たり前のことですが、日本以外の国でも音楽をつかった障がい者支援のプログラムはいろいろと考えられているのだと、あらためて考えさせられます。
 登壇したのはJulie Duty女史、パワーポイントがWi-fiの接続画面に邪魔されながらも非常に素晴らしい語り口でプレゼンされました。(とはいっても私の英語力では、動画や図を見てなんとなく状況を理解するくらいにしかなりませんでしたが…)
 健常者のこどもが2〜3人チームを組んで、障がいのあるこどもに楽器を教えるという方法のようでした。 日本では、障がい者に取り組ませる楽器としては教育楽器もしくは歌を想像してしまうのですが、管楽器や弦楽器(!)を楽しそうに練習し、最後には大人数のバンドや弦楽アンサンブル、さらにはマーチングバンドで一緒に演奏している様子が映し出され、信じられないという心持ちに。学校でのバンド活動、指導のシステムが非常にしっかりしたアメリカだからこその取り組みなのかもしれないなと感じました。

 

◆17:00〜18:15 Ceder Park Winds
 3階に再び戻り、375Eという600名くらいの会場で、Community Band=学生でない、成人した人々によるバンドを聞きました。日本でいうところの一般バンドなのでしょうか、先ほどの学生バンドと違って、プログラムにグレードの表記がしてありませんでした。
 ジョン・マッキーの新作”The Night Garden(夜の庭)”や、これも2017年に発表されたというグランハムの”Effugent Light(まばゆい光)”など、聞き応えのあるプログラム。全体的に落ち着いた、静かな作品が多い印象を受けましたが、さすが大人バンドだけあって実力は抜群です。ちなみに会場にご本人はいなかったものの、日本でおなじみ高昌帥の「アリランと赤とんぼ」も演奏されていました。
 プログラムに書かれていなかったアンコールはこの時期ならではの「そりすべり」で、登場するたびにサイズのおおきくなる木むち(Whip)と愉快な演出で、会場は大盛りあがりでした。

 じつはこのあともうひとつスペシャルな演奏会を見ることができたのですが、それは次の記事でご紹介することにしましょう。