音楽堂これくしょん 豊洲シビックセンター ホール
「え、シビックって、文京シビックじゃないの?」
初めてホールの名前をきいた時は思わずそう言いました。そう、後楽園にあるあの大ホールではなく、最寄り駅は東京メトロ有楽町線豊洲駅 。2016年9月にオープンしたばかりの、できたてほやほやの新ホールです。
豊洲駅は7番出口から出ると、グーグルマップにはまだ載っていなかった巨大なガラス張りの建物が出現します。12階建てで、区の出張所や図書館なども入った複合型施設です。豊洲文化センター、というくくりの中に会議室や練習室、そしてホールが入っているとのこと。
メトロ出口からの風景。さすがりんかい部、視界がひらけています。
地上からはなかなか全貌を見るのが難しいですが、最上階部を斜めに切り落としたような、凝った設計の建物です。
運営は江東区文化コミュニティ財団、江東区内の他の文化系施設も一手に引き受けているところです。系列館に「江東区文化センター」という施設もあるので、ちょっと紛らわしいかも。
ホールの入り口へはエレベータで5Fまで上がります。
ロビーからの眺めはぜいたくなシティビュー。ビル群の夜景が好きな身としてはたまらぬ光景です。クロークは無し、飲み物は自動販売機のみですが、時間帯によっては際限なく眺めていられそうです(何しに来たんですか、とつっこまれそう)
そしてホールに入ると……
なんと、ステージ後ろがすべてガラス張りではありませんか。
サイドもガラス。写真によってはサイドの背面の板が無く、完全に外が見えるような使い方もできるようです。
これには本当に驚きました。反響を考えると決してガラスという素材は得策とは言えないはずなのに。施工はどこなのでしょう…(あとで追記するかも)
ひとつ言えるのは足りなくなる響きを補うためなのか、天井のつくりがかなりジグザクとしていて、反響板の役目を補っていること。この日は目視では確認できませんでしたが、おそらくある程度可動式になっていると推測されます。
座席の配置についてもちょっとした気づきが。前から3列目の下手側、サイドから入るドアからすぐのあたりの座席が、なにかの間違いのように欠けています。一瞬車椅子席のスペースかと思いましたが、それは最後列にありました。人の溜まるのを防ぐためのスペースにしては不思議な形状です。扉から至近ですし、予備の車椅子スペースでしょうか。
しかし利用料金を調べて驚きました。こんなに都心のど真ん中で、新しいきれいなホールなのに、休日に1日借りても53,200円とは。平日なら約2割安く、区分単位なら平日午後で15,350円とか、どこの地方都市の文化会館ですかというレベルです。
地の利も良いですし、練習利用でもかなり使い勝手が良いのではないでしょうか。ステージはそこまで広くないですが、室内オケくらいなら十分可能でしょう。ちょっとした穴場だと思いますので、ここでおすすめさせていただきます。
(訪問・写真撮影:2017年1月)