くわだてありき(Bandsearchlightブログ)

吹奏楽(全国大会以外)とかコンサートホールとか高架下とかの話が主です。

後悔しないコンサートのつくり方(10)いよいよ本番日!

 さあ、待ちに待った本番の日の朝。一番いけないのは不測の事態にあわててしまい、第2次、第3次のトラブルを誘発することです。大事なポイントや、起こりうるトラブルをだいたいの時系列順に並べてみました。

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後悔しないコンサートのつくり方(9)リハーサル

 当たり前ですが、できるだけよいものを聴いてもらうべく、最後の最後まで練習をするのがコンサートの前というもの。演奏のクオリティについてはわたしに語れることなどありませんが、演奏会前のリハーサルをする上で、ちょっと気をつけておくといいかも、ということをまとめておきます。(経験者の皆さまは飛ばしていただいてもかまいませんし、おさらい程度に見ていただけたらと思います)

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後悔しないコンサートのつくり方(8)当日必要なものを準備する

 コンサート当日が迫ってくればおのずと練習も白熱するでしょうし、いろいろな事前準備もあれやこれや発生してくると思います。「神は細部に宿る」のことばを胸に、ひとつひとつの準備を確実にクリアして本番当日を迎えたいものです。

 

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後悔しないコンサートのつくり方(7)当日配布の印刷物

 クラシックの演奏会では、プログラムについて書いたパンフレットを配布するものですよね。簡単なコンサートでも、どんな曲を演奏したかの記録にもなりますので、プログラムはぜひ作成しましょう。

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後悔しないコンサートのつくり方 (6)役割分担

 全10回の予定「後悔しないコンサートのつくり方」も折り返しを過ぎました。今回は、円滑にコンサートを運営するために必要な役割分担について考えます。

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音大生とネイル

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 社会人になって、密かにたのしみのひとつになったことが、ネイルである。もっぱらセルフネイルではあるが、自分に似合う色を探したり、プチプラでどこまでキレイにできるか追求したりするのが楽しい。高校生の頃はもちろん校則で禁止だったが、なぜ社会人になってからなのかと言われれば、それは音大では他大よりもはるかにネイルが歓迎されないから、である。

 たとえばピアニストの場合、爪を長く伸ばすことはご法度といわれている。カチカチと爪が鍵盤に当たる音のせいで、試験を減点になった同期もいたくらいだ。短くても可愛くする方法がないわけではないが、思い通りにデザインできないフラストレーションを嫌う人は、いっそ素爪でいようと思うのかもしれない。ピアノの場合、10本の指を常に視界に入れて演奏するため、気が散るからという理由でみずからネイルを敬遠する女子もいた。弦楽器の場合、ネイルはさらに遠い存在となる。爪で弦をはじく奏法があったりするので、余計なものを爪に塗るわけにはいかないのだ。ピアノ女子もヴァイオリン女子もハープ女子も、皆一様に、顔にはねんいりにメイクをしても、爪だけはすっぴんというわけだ。
 管楽器科の学生はちょっとゆるく、楽器に傷をつける可能性があるので爪を伸ばすことはできないが、視界に入るわけではないため、プロでも人によっては爪をおしゃれにしている人がいる。しかし、楽器に関わらず彼女たちの前に立ち塞がるものがいる。レッスンの先生という存在である。

 

 人によりけりだが、もっとも厳格な先生のクラスの子は、ネイルどころか、レッスンの時の服装に文句を言われる。ジーンズばきNG、スニーカーNG、ノーメイクNG…大学生にもなれば制服に縛られることなく、着たい服が着られるはずなのだが、こと音大生に限ってはそれが当たり前でない場合がある。いろんな先生のいろんな逸話を聞きながら、おお怖っ、と首を縮めていた我々音大女子にとって、ネイルとは「なるべくしないでいたほうが、師匠との波風を立てずにすむもの」であったのだ。管楽器専攻だった私も例外に漏れず、ネイルはしたかったが、レッスンに行ったときの師匠の反応を考えるとやはり怖かった。今思えばサバサバした先生だったので、何も言わない可能性もあったが、ただでさえ出来の悪い弟子が、曲をさらわず爪を塗っているなど、師匠の機嫌を損ねる以外の何であろうか。というわけで、一度も実行することなく卒業し、演奏を生業としないことが確定して初めてネイル解禁となった次第である。


 とりたてて手の混んだことをするわけではない。ただ単色で明度の高い色を塗るとか、さもなきゃフレンチネイルくらいがせいぜいだが、アクセサリーより邪魔にならないし、うまくできたら気分もあがる。出産のときにネイルは落とせとお医者さんから指示があったりして一度離れているが、秋に後輩の結婚式が予定されているので、そのあたりには久しぶりにちょっと頑張ってみようかと思う。

 「音大生」も「母親」も、華美なよそおいに眉をひそめられがちな存在だと言うことができるかもしれない。電車などで派手な服装のママが白い目で見られがちなのも知っている。われわれはとかく外見で判断されがちなのだ。しかし、本来の目的に支障がないなら、なにを気に病むことがあろうか。音大生だったあの頃、萎縮していた借りを返すときがいま来たのだ…なんていうと大仰だが、気持ちを明るくたもつために、子どもの寝ているときを見計らって、ひさびさに爪磨きからリスタートしてみたい。

 

(本人noteより転載)