くわだてありき(Bandsearchlightブログ)

吹奏楽(全国大会以外)とかコンサートホールとか高架下とかの話が主です。

音楽堂これくしょん 近江楽堂

 東京オペラシティ近辺には、いくつかのコンサート会場があります。大ホールのタケミツ・メモリアルに、地下から入るリサイタル・ホールもありますし、すぐとなりには新国立劇場オペラパレス中劇場小劇場。そして、これらより知名度はいささか落ちるものの、コアな音楽ファンに人気の会場が、今回ご紹介する近江楽堂です。

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 初台駅の改札を抜けた先のエスカレーターを上がり、1Fへ出たところで右折するようにまたエスカレーターにのります。2Fへあがったら、オフィスロビーのエレベーターの立ち並ぶあたりを横目に見つつ、なお直進。するともうひとつ、3Fへ通じるエレベーターがあります。

 これを上がると、こんな景色に。

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 自動ドアをくぐると、右手にはオペラシティアートギャラリーが、左手にはチケットセンターへ続く通路がのびています。チケットセンターを抜けてもうすこし直進したところが、近江楽堂の入り口です。なかなかわかりづらいので、フロアマップもご参考あれ。

www.tokyooperacity.co.jp

 

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 すぐとなりには大ホールの空間があるため、ロビーはとても狭いです。チケットテイクを済ませるとすぐにホールへのドアがあります。お手洗いはチケットテイクの外です。

 

 

 さて、この会場のとても大きな特徴として、その特異な形状があげられるでしょう。四角でも円形でもなく、クローバー型とでも呼ぶべき不思議な空間に、がらんと大きなドーム型の天井がひろがります。十字に切られた採光窓は、教会を思わせる雰囲気です。クローバーのへこんでいるところには洞穴のように四角く切り取られたコーナーがあり、そこには聖母マリア像などが置かれていることから、余計にその印象を強くします。(こちらのブログでその理由などを詳しく解説されています。)

 クローバーのいずれかの葉の部分を舞台に見立てることもできますし、中央に奏者を置き、可動式の席を葉の部分に配置することも可能。おさらい会などの目的であれば、椅子の数も最低限にできて、親密なよい会がひらけそうです。

 

 ドーム型の天井は、エコーという点では申し分ないのですが、音の解像度が下がる一因にも。ソロ、ないしは2,3人での室内楽を聴くのがベストチョイスでしょうか。クラシックギターなどだと最高かと思われます。

 

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 設備に関してもユニークな点が多いホールです。チェンバロリードオルガンなどを備え付けている会場というのはそう多くはありません。古楽関係の方からの熱い視線も感じます、、、と思っていたら、こちらの運営にはBCJの役員の方が関わっているとか。

 最大収容人数は120名とされていますが、椅子の置き方によってはきゅうくつな感じになるかもしれません。空間を最大限に楽しみたいならば、もうすこし余裕をもったほうが良いでしょう。

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 ちなみにこのホールを運営しているのは、オペラシティ財団等ではなく、松木アートオフィスという有限会社。依頼すれば宣伝や当日の裏方などをやってももらえるようです。新宿のど真ん中にしてはとても良心的な利用料金も、企業努力のたまものでしょうか。休日に全日利用して83,000とは、演奏家からの人気が高いのもうなずけます。

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