2025年度 全日本吹奏楽コンクール地方予選のたび(滋賀)
年度が終わってしまうまえに、、、のすべりこみです。正直言って成果としては、予期せぬアクシデントもあり、あまり多くはないのですが、旅は楽しめたと思いますし、備忘録ということで。
続きを読む推し活×演奏=演奏オフという楽しみ方について:参加してみた!(後編)
演奏オフ、という未知の世界に一歩足を踏み入れようとする吹奏楽愛好家の一部始終をお送りするこの企画。 前編では、そもそも演奏オフとは何ぞや、ということから、オフ会に潜入することになった経緯、予習の状況などについて記した。吹奏楽というファンダム(ファンの集まりやその中で育まれた文化)と、吹奏楽以外のファンダムが掛け合わされた結果、特定の属性を持つ人にとってより嗜好性の高いバンド活動になっている、ということが徐々に実感できてきたように思う。
~もくじ~
ここからはいよいよ、9/23に行われたオフ会当日の様子をお伝えしていく。座組み・概要はこちらから一望できる。
AM(合唱のみの練習)
私は合唱での参加なため、まずは合唱のみの練習が行われる大和市文化創造拠点シリウス=やまと芸術文化ホールへ向かう。普段、吹奏楽の練習に向かうときよりもずいぶん荷物が軽い。楽器も譜面台も持たず、身軽に小田急線に乗り込んだ。楽器を安定して置ける場所を探す必要がないというのはありがたいものだ。
会場は大型図書館やこども向けスペースも併設されたホールの中のリハーサルルーム(3Fマルチスペース)。2016年開館なだけあってキレイで明るく、開放感のある施設だ。

グランドピアノの設置されたリハーサルルームには、すでに声楽トレーナーのおさべたつきさんがいらしていた。
三々五々、合唱メンバーが集合しはじめる。ソプラノから男声まで、全部で20名ほどの、この日限定の合唱団だ。今回は収録のみのため、ドレスコードは特にないと言われていた(※コスプレ等、一部はNG明記あり)。男性は普段着やスーツの方、おしゃれな和装まで、女性は演奏会へ赴く際のような方から、ゴシックロリータ調の装いの方も何名かいらして、一気にわくわくが高まってきた。ロリータ服は、自分ではやったこともないし勇気もないが、胸をときめかせた経験はある。細部まで凝った意匠、しっかりボリューミーなパニエの可愛らしさといったら。目の保養。

設営とご挨拶のち、まずは体操から(?!) エビカニクス体操(ケロポンズ)というものをするのは初めてだったが、おさべさんは実に手慣れた様子で場を進行した。彼の主催する合唱団では、ウォーミングアップはいつもこれだとのこと。現役生の頃、歌う前にこんにゃく体操というものをやった記憶はあるが、こちらは全くの初見。きょろきょろしながら周囲の方々の動きに合わせ、見ようみまねだが、笑えるし楽しい! 体も温まるし口角も上がる。
ちなみに器楽のほうのみなさんは同時刻、収録会場でもあるおださがプラザに集合し、設営や音出しに勤しんでいた、はずである。9:40まで設営や音出し、そこから10分程度で挨拶や自己紹介、のち合奏開始。。参加者向けポータルに掲載されたタイムスケジュールは5分刻みのたいへん精密なもので、主催の細やかさがよく現れていた。
体操で心と体があたたまったところで、声出しを開始。おさべさんの指導のもと、ピアノで音を確認しつつ、丁寧に進行する。なにぶん卒業してから久しく合唱を歌っていないため、目にするもの、耳にするものが新鮮で仕方がない。声楽の体験は、大学生の頃で完全に止まっているのだが、発声の教え方や声の出し方の概念は、この20年くらいのあいだに様々にアップデートされているのだろうな、と考えたりもした。巻き舌のトレーニング以外は、問題なく終了(筆者は巻き舌を一瞬しか保持できないため)。
時間に限りがあるので、ある程度声出しが終わったところですぐ曲練へ。トレーナーのおさべさんは、メンバーリストを見て事前にパートのバランス調整を行っていたようだ。私のお隣で歌っていたアルトパートのお姉様は、本来ソプラノだったが(今回に限り)コンバートされたとのことだったし、その後、当日も男声のバランスを見つつ何人かのパート分けが変更されていた。
今回合奏する4曲のうち、合唱が参加するのは2曲のみ(そのため、合唱メンバーは器楽での参加より費用負担が抑えられていた)。だが両方ともとにかく連符まみれ、歌詞の文字量の多いこと多いこと。急ピッチで強化するべき箇所を洗い出し、パートを取り出して確認し、時には音程なしで歌詞のみ読んでリズムを体に入れ直したり、もちろんフレージングや表情付けも。おさべさんは「あくまで自分の意見でフレージングしている。合奏の際に変更があればそれに従ってくださいね」と言いつつも、いわゆる「もっていきかた」や、歌う上での指針が与えられ、見通しがクリアになっていく。
本番では、収録のマイクロフォンはかなりたくさん立てられるらしいと聞いた。頑張りすぎなくてよい、とはいえアルトパートというのはどうしても沈みがちだが。
そうこうしている間に、あっという間に移動の時間となった。 これは余談だが、部屋の撤収時、確認に来てくださったスタッフさんが本企画のことをご存知だったようで、皆で驚いた。また、すかさず何人かがさらりと勧誘していて、好きなものを本気で布教しようというその姿勢には頭が下がる思いだった。人におおっぴらに言えない趣味を持つオタクだった時期があったので、どうしても布教を尻込みすることがあるが、自信をもって自分の好きなものを好きということは眩しく美しいものである。
大和駅から小田急相模原駅までは、やや乗り換えが複雑だが、ほぼ全員でわらわらと電車移動していたので、不安はなかった。同好の士の集まりなので、道中も話の種はつきない。おださがプラザの下の飲食店で食事している間も、ひたすらなごやかな歓談は続いた。社会人になるとこういうことはなかなか無いので、シンプルに嬉しく、得難い時間と感じた。

ここからは器楽合奏のスケジュールに合流。13:05に昼休憩を終え練習再開だ。
PM(オケと合流)
おださがプラザは駅直結の商業施設の上階に設けられた多目的スペースで、多目的ルーム1つとミーティングルーム2つのコンパクトなつくり。
それゆえに合唱が分奏するスペースまでは取れず、リハーサルを別の場所で行うことになったわけだ。
昼食後会場入りしたところで、名札とともにステッカーをいただいた。これは立派なオフ会の記念品!

配置図は、これも事前にポータルで共有されていたが、図面上よりもけっこう余裕があるように思えた。どこのドアが常時締切、のような情報が先に確認しておけるのは以外と気持ちの余裕にもつながる。

(ステージではないが、便宜上)上手奥のほうに大きな調整卓が見える。たくさんのマイクもすでに準備万端だ。合唱隊として懸案事項だったマイクの立ち位置についても、できるだけマイクに声がのるように、メンバーの並びも微調整などする。
午後のタイムスケジュールは、合唱を合わせて4曲をもういちど練習したあと、最終的に録画録音をしてフィニッシュとなる。指揮は主催のマナセさんがシンフォニックアレンジの2曲を、PopsアレンジのほうをHashさんがつとめた。
亡國覚醒カタルシスは合唱パートの分量が多く、口の回らなさを心配していた箇所もあったものの、合わせてみると、指揮者からは「合唱入ると、いいねー」とのコメントが飛び出して、ちょっと嬉しくなるなどした。続いても合唱入りの「わが﨟たし悪の華」。贅沢に響く管弦楽を聴いているとついそちらに集中してしまい、入りを忘れてしまいそうになる。悪目立ちしてはいけないが尻込みしていては戦力にならない、、、最大限気を使いつつ、なんとかリハが終わった。
この後は管弦楽のみの2曲の最終練習となり、いったん合唱パートは待機に。この間に、筆者は気になっていたことを解決するべく、施設の下階にある100円ショップへ。、じつは楽譜隠しのファイルなどを持ってきておらず、楽譜を片手で持つと、しなって見づらくなるということが起きていたのだ。製本だけしておけば良いだろうと思ったのだが、迂闊だった。
黒画用紙などを探したものの、ちょうどよいものが見つからずにいたら、同じアルトで参加のお姉様がファイルを貸してくださることに。人の優しさにも触れて、有り難くお礼を言いつつ、いよいよ収録時間に…!
いよいよ収録、からの…&まとめ
実際の収録については、私からとやかく述べるよりも、まずは完成した動画をご覧いただいたほうがよいだろう。
練習のときはずっと作動していた空調も、録音の際はノイズになるのを防ぐため、開始直前にオフ。全員がよい集中力をたもち、作品世界への愛に満ちた、幸せなひと時となったのではないかと思う。
めでたく収録完了、撤収までタイムテーブルも完璧。お片付けのあとは町田で打ち上げとあいなった。またもや皆で移動…と思ったらはぐれてしまったのだが、なんと町田駅周辺でメンバーのみつみさんとおさべさんが待っていてくださって無事合流できた。神。
(余談だが、宴もたけなわという時に、主催マナセさんが拙著をもって合唱パートの呑んでいるテーブルに現れ、その場でサインをさせていただくというハプニングもあった…!)
と、概ねこのように1日が終了した。
熱心な好事家ではなかった私だが、練習や本番を通してその魅力の片鱗に触れ、皆様とともに熱狂のひとときを過ごすことができたように思う。
ティーンエイジャーのころは全然とおってこなかった道を、大人になってから再度履修するのは「全然あり」だなと再確認できた。筆者にとっては、たとえばそれはゲームなら「ロマンシング・サ・ガ」だったり、音楽ならドラムンベースやEDMなどの別ジャンルだったりしたのだが、今回はなりゆきで新たな境地を開いてしまった。
吹奏楽団やオーケストラで、常設団体の維持の難しさを一度思い知ってしまった方でも、このように吹奏楽以外の興味を同時に充足できる座組みがあれば、再び楽器ケースを開く抵抗が減るのではないか。人々の興味対象が細分化を極める21世紀ならではの「オフ会合奏」は、これからも更に盛り上がってほしいし、その先に、少子化や地域移行によって、行く末に警鐘の鳴り響いている吹奏楽の活路(の一つ)が見いだせるかもしれない。
次回の企画がすでに立ち上がっているので、もし気になる方は以下をご覧あれ。
また、主催のマナセさんによる便利なサイトはこちら。
イベント情報のキュレーションサイト。オフ会の情報が覗き見できます
推し活✕演奏=演奏オフという楽しみ方について:体験しにいってみた(前編)
~もくじ~
- 演奏オフとは?
- 潜入(取材)先をリサーチしていく
- 事前準備
吹奏楽界隈の片隅でなんとか息をしている昨今。仕事と家事育児、書き物などの趣味を優先すると、どうしても何がしかの吹奏楽団に所属するという選択肢は取りづらい、という状態がもう10年以上続いている。そして、Xなどを眺めていると「団員募集」よりも多く流れてくるのが「オフ会参加の案内」or「◯◯のオフ会、この楽器だけまだエントリー無いです!ぜひ!」みたいなポストだ。
(オフ会?オフ会ってあの、我々がティーンエイジャーだったころは「危ないから安易に行っちゃだめ」っていわれてた、インターネット上で出会った人々とリアルでお会いするアレ?)
続きを読む紙媒体にしてのこそう
突然で恐縮だが、紙媒体は最強だと思うようになってきた。
嫁ぎ先の家系はアルバムや記録をきちんと作っている親戚が多い。きちょうめんにバインダーに綴じられたルーズリーフの覚書きや私誌、諸々の写真、骨とう品、その他整理されてのこしてある私的な印刷物をいくつも見せていただいた。それらは一人の人が、家族が、家が存在した証拠として、天災でもない限りきちんと残っていく。
Webはすぐ消えてしまう。自分以外の方がつくっているサイトというのは、基本的にその方のために存在するので(それを我々閲覧者は見せていただいているだけ)、ある日突然URLが消えてなくなっても、仕方がないと思わなくてはいけない。吹奏楽愛好家からすると、かつて膨大な読み物を備えていたBandPowerが無くなったときはずいぶんこたえた。他にもショックだと述べていらっしゃる界隈の方は多かった。アイドルだって、どんなに可愛くても、ファンが多くても、いつやめてしまうかわからない。だから、紙に書いて、活字にして残したい。
というわけで、私製本や同人誌やFanzineの類をどんどんやっていこうと思う。最低ロット1冊。他人様に有意義かどうかはわからないけど、もし同行の士がいらしたら、面白がってもらえるかもしれない。
・一般吹奏楽団で、長く続いている団の紹介本
・特定の作品の演奏受容史(コンクール人気作品、課題曲、作曲家別、地域別)
・行ってみた系(演奏会場、コンクール)
あとはなにがあるだろう。。。
数年前に初めてつくった同人誌は「後悔しないコンサートのつくり方」ということで、コロナ禍でついえてしまうと困るコンサート開催についてのノウハウをまとめた小冊子だった。このブログの転載加筆版。文しか書けないけど、同人誌が作れたというのは自分の中でひさびさ大き目な実績解除だった。
次はなににしよう。わくわくしてきた。
2025年6月1日 わだフェス~作曲家 和田直也 デビュー20周年記念演奏会
和田直也氏がふるさとでデビュー20周年記念演奏会をすると聞いたのは、昨年(2024年)の年末のことだったはず。1986年生まれなのに、20周年!?というのが最初の素直なリアクションでした。でも確かに、音大在学中にバーンハウスから自作が出版されるなど、10代からすでに作曲家として活動をはじめていたのだから、決して計算間違いではないですね。日本で和田作品がたくさん取り上げられ始めたのは2006年ごろからだったようですが、近年(特にアフターコロナになって)和田作品のコンクール演奏回数は激増しているといってよいでしょう。行き届いた教育的配慮やグレード設定、親しみやすい雰囲気が持ち味の和田作品が一挙に聴ける得難いチャンスを逃してはならないと、今年の研究予算をコンクールではなく、こちらにつぎ込むことにしたわけです。
【演奏会概要はこちら】
6月1日の公演はお昼過ぎの開演。朝イチでは間に合わないし、前乗りするくらいなら…と何年振りかの高速バスをチョイス。出産後は交通費より時間短縮を優先しがちだったので、バスタ新宿を利用するのも実は初めて。
前日21時出発の新宿→福岡・北九州「はかた号」はお席に余裕あり。女の一人旅だったからか、席の場所を周囲にひとのいないところに振り替えてもらうなど、ありがたいご配慮も。私は普通席だったのですが、ドアを開けて出入りする完全個室のプレミアムシートもありました。
ここぞとばかりに持ち込んだ書籍をすすめたり、和田作品の予習をしたり、たまったゲームの進捗をすすめたりしているうちにしっかり眠くなり、、、思ったより結構寝られました! 独立シートで隣にも誰もいないというのはなかなかの安心感。じつは地区大会めぐりの遠征を始めたすぐのころに、高速バスでなかなか衝撃の体験をしていたのですが、今回はそのマイナスイメージを払拭することに成功したと言っていいでしょう。
深夜に静岡SA、早朝には山口県の佐波川SAで休憩を挟んで、そういえば「水曜どうでしょう」でキング・オブ・高速バスと落款を押されたのはこの「はかた号」だったなあと思い出しました。乗り心地は想定以上(もちろん家のベッドで寝るようなわけにはいきませんが)。夜の高速道路をぼんやり眺めるのが好きなので、消灯後はカーテンを閉めるように言われてしまったのだけが幾分残念でしたが、概ね満足の旅となりました。

1日の10時前には小倉駅前で無事に下車。事前に調べておいたネットカフェで身支度をすませ、会場最寄りの黒崎駅まで移動します。
小倉駅の構内にあった立ち食いうどんに立ち寄ったら、ごぼう天うどんがあって、九州のうどんも初体験できました。ほんとうにおつゆが美味しかった!

目的地の2つ手前に「スペースワールド」なる駅が。遠くのほうにサーカステントのようなものがみえ、レジャー施設のようなものかな?と思っていたら、2017年に営業は終了しているそうで、いまはアウトレットなどに変わっているそうです。たくさんお客さんが降りていきました。
黒崎駅は立派な駅舎に、隣には商業施設らしきビルも。市街地を10分ほどまっすぐ進んで、いよいよ会場であるひびしんホールに到着。
ホール前に芝生の大きな広場。雲ひとつない青空に気持ちの良い緑が映えて、わけもなく嬉しい気持ちに。きょうはずいぶん遠くまでやってきました。


モダンな外観のホールは2012年開館とのこと。中ホールでも別のコンサートをしていた様子で、他に練習室や会議室もありました。コインロッカーもあったのですが、私のスーツケース(航空機手荷物で◯なサイズ)はギリギリ入らず、、残念。

大ホールは826席。私が到着したのは開場の直前だったのですが、長蛇の列が!お客様が盛り盛りで、いいぞいいぞとつい顔がにやけます。お祭りですからね。未就学児もOKのなごやかな雰囲気です。
トップバッターは学生合同バンド(小倉商業高高等学校、小倉東高等学校、北九州市立大蔵中学校)。人数は40人くらい?
未聴だった《あしたの希望》がいい曲。グレード1.5。ピアノ伴奏版があったら、中高生向けの手頃なソロ練習曲になりそう…などと考えつつ楽しみました。
お次の《エインシェント・アクアリウム》は4曲からなる組曲。3曲目がJAZZ風。低グレードでJAZZを学ぶのに良いかも。(あとでご本人から動画があがっていました)
八幡南高等学校は、まず同校のために書かれた《パシフィカ》を。《陽のあたる坂道》は、2002年、高校生の時に和田さんが初めて完成させた作品。同校の前にある長い坂道とは関係が…無いそうです(!)なにやらDo As Infinityに由来があるとかないとか。
早鞆(はやとも)高等学校は山口県からのわだフェス参戦。実は和田さんのグレード4ってあまり聴かないので貴重な機会!《麗しの誓い》はクリスマスぽい、もろびとこぞりて的でそうではない下降系の優しいフレーズが印象的でした。グレードは3。余談ですが、伝統的なタイプの(折り返して垂らす)譜面隠しをひさびさに見た気が。中学のときにこれを始めて使って、バンドに所属した感を強くし、わくわくしたのを思い出します。
4団体目は小倉西高等学校、顧問の先生が高校のときの和田さんの恩師だそう。和田さんいわく「割と自由にやらせてもらった」とのこと。《栄光と祝典》はこの松本寛史先生に献呈された作品。温厚なお人柄の伝わる演奏でした。《輝きの未来へ》は、ファンファーレから始まる祝祭的な佳品。グレード3、7分弱ということで、発展途中のバンドにも優しく寄り添ってくれそうです。
ここでようやく休憩。コンクール鑑賞くらい体力をもっていかれます。でもせっかくここまで来たので、しっかり気を持たねばなりません。ちゃんとカフェインを摂って、ストレッチなんかもして、後半に備えます。
ここからは大人の部の様子。北九州交響吹奏楽団は、第一音から大人のプライドを感じるいい音量!《ブラヴィッシモ!》はきはきした爽やかなサウンドは、作品とバンド両方の美点なのだと思われます。
《鏡の中の光》《未来への架橋》いずれもあまりきいたことのない和田作品ながら、優しくてナイーブな主題と、誰も置き去りにしない構成は共通。和田直也という作曲家が本来持つ気質はおそらく人一倍優しく、他人に親切で、ロマンティストなのではないか、そんなことを勝手に考えたりもしました。
北九州フィルハーモニック吹奏楽団、中西先生はベテランニコニコかつ背中に目があるタイプ(勝手な想像です…違ったらすみません!)《ジョイフル》は、バンジャの付録にもなった作品。短くて使いやすそう。 《碧空への出航》曲名の由来がなんなのか、ききそびれた……!《勿忘(わすれな)のとき》ナイーブでも最後はしっかり盛り上がる構成。
さてここでなんと地元以外のバンドが。大江戸シンフォニックウインドオーケストラ(大江戸SWO)、その名の通り普段は東京都内で活動している一般バンドながら、同団の指揮者・樫野哲也氏は普段からよく和田さんの作品を取り上げている「くされ縁」とのことで。いくらお祝いごととはいえ、40人弱のバンドが東京から駆けつけるとは。愛されてますね和田さん。経済効果!
《東京摩天楼》は樫野さんが初演に関わったとか。高層ビルの林立する大都心からやってきました、ということですね。名刺代わりのような演奏です。
《トロンボーン協奏曲(リムスキー=コルサコフ)》はソリストに東京音大出身の佐藤海人さんを配して。最初やや緊張しているのかも?と思っていたら、第3楽章でエンジンがかかった感触。音色の美しさが印象に残りました。
最後は100人超えの一般合同バンド! ホールのキャパを超える音圧、大変良かったです。そして聴き手ももうへろへろです。こんなに大人数で和田さんの曲を聴くってレアだなと思いながら、音の奔流にただ身を任せます。
《遥想(ようそう)のこだま》は昨年なくなられた和田さんのご母堂に捧げる作品とのこと。
《クラウド・ナイン!》はアンコールピースをという求めで書かれたとのこと。エネルギッシュで流行りそう。
そして最後に和田さん編曲の《RYDEEN》をほぼ全員で演奏して〆!
1日中、ほとんど和田作品しか聴かないという超レア体験が終了しました。繊細な旋律線とがっちり堅牢な構成が、和田さんの作品の特徴なのだなと再確認できました。北米圏を中心にキャリアを築いてきた和田直也という作曲家は、昨今の邦人吹奏楽ブームとは少々違った立ち位置だとは思いますが、こういう丁寧な教育用作品こそ、いまの日本の吹奏楽が求めているものではないでしょうか。

帰りの新幹線は新神戸〜京都あたりが激混みでした。指定席の通路まで自由席の乗客が押し合いへし合い。。サイコロの旅じゃないんだからもっと次回は落ち着いた「たび」にしたいものです。
後日、実行委員会の作成したダイジェストがアップされていました。