くわだてありき

田橋るう(たばし るう)です。吹奏楽とかアトマネとか高架下とかのはなしをしてます。

MidwestClinicはじめてレポート(その2・20日の夜)

 昨日、Ceder Park Windsの演奏が終わって移動しようとしたところ、青い係員のベストを着たお兄さんたちに声をかけられました。「ステッカーは要るかい?」と言われ、とっさにじゃあ1枚、と手がでました。

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 Doc Severinsen、このアメリカのトランペット奏者は(にわか付け焼き刃の検索によると)なんと1927年生まれの90歳、クラシックもジャズもなんでもござれの、文字通り「生ける伝説」だということがわかりました(所要時間3分…)
 アプリの公演情報によると、Elmhurst College Big Bandのバックで、ほかにゲストヴォーカルとしてVanessa Thomas、とのこと。この出迎えかたは、ジャズが門外漢の私でも只者ではない感じを受けました。
 で、アプリに来てたメッセージを開くと、「ドクがくるよーーー!」というテンションの高いお知らせを受信していました。Seating is first come, first served.というメッセージを読んであわてて向かうも、着いた時には会場はほとんど埋まっていました。

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 余談ですが、ミッドウェストの公式アプリは非常に優秀で、観たいセッションを登録しておくとリマインドしてくれ、registrationのバーコードもタップ一発で表示でき、非常にスムーズでした。

 とても後ろの方ですが座れたのは本当にラッキーで、立ち見もずらっと壁際に並んでいました。19時開始ということだったのですが、さきに表彰セレモニーがあって、演奏がはじまったのは19:15くらいから。

 カレッジジャズバンドと聞いていましたがクオリティは非常に高く、音楽の大学生なのではないかと思ったくらいでした。まだドクが出ないうちからなかなかの盛り上がりを見せます。A-Sax.とかの学生さんがソロを回してましたが、堂に入ったものです。

 さて、Hereeeee’ Doc!! の掛け声とともに、白いジャケットに鮮やかなオレンジのタイで決めたDocが登場し、さっそうとソロを取り始めます。バンドマスターもいるのですが、ときおりDoc自らバンドに指示を出しつつ進みます。ハイトーンをばりばりと決めてゆく姿は、本当に90歳なのかと疑いたくなりますが、事実なのですから受け入れざるを得ません。

 さて1曲終わるとDoc自身がMCをし始めます。和やかです。笑いもたくさんとって、たくさんお話してくれるのだなと思いました。最初のうちは。4曲目にはGeorgia on my mind、音数を少なく吹く彼の1音1音が際立つ、素晴らしいプレイでした。
 でもまたお話なさると、なかなかの時間がかかる。その繰り返しです。途中にゲストヴォーカルも登場したりして、さらに時間がかかります。ゆっくりお話されるせいもあるのかな、と思っていたのですが、途中で異変が起きました。…なんと、一番最初にセレモニーで登場した司会者が戻ってきて、「釘を刺しにきた」というではないですか。もうかなり時間がいい感じで、途中でやきもきしたのでしょう。これには客席も大爆笑。
 おそらくはあとで行う予定だったセレモニーを途中に入れて、盾を授与し、この時点で時計は19:45を指していました。でもDocの自由なことといったら、その後もおかまいなしに自分の名前の由来から、ふるさとの話、昔の話とほぼ気にせずにトークに華をさかせます。きっと裏でタイムキーパーは心配が止まらなかったことでしょう。

 しかしそれでも、ひとたび吹き始めると、その力強いサウンド、隅々まで行き渡った音楽性に、細かいこと全部どうでもよくなるような思いでした。最後から2曲目 Everyday I have bluesでふたたびゲストヴォーカルがお目みえして、盛りだくさんのプログラムに幕が下りたのは予定時間を20分以上もオーバーしてのこと。

 一期一会とはこういうことをいうのかと、高揚感に包まれてとっぷり夜も更けた会場をあとにしたのですが、帰りは地下鉄と徒歩で帰ることになるのをすっかり忘れており、別のドキドキが待っていたというのはここだけの話。