くわだてありき(Bandsearchlightブログ)

吹奏楽(全国大会以外)とかコンサートホールとか高架下とかの話が主です。

無色の時間

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 端っこの方とはいえ音楽にかかわる仕事をしていると、ときどき『まっさらな時間』がむしょうに欲しくなる。仕事でも音楽を聴き、行きかえりの満員電車をまぎらわすために音楽を聴き、街を歩いているときには街頭のざわめきやストリートミュージシャンの歌声。店に入れば店内BGM。
 家に帰り着いた時には、空白の時間が欲しくてしょうがない。でもTVもあるし、ラジオもあるし、インターネットでは動画も(そして動画についてくる広告の数々も)有音なわけだ。


 街を歩いているとき、イアホンをしていてもなにも流さない、流したくない時があるのだけど、最近その頻度が増えたような気がする。遮音、耳栓替わりに使っているのかもしれない。でも音楽が流れていなければ、話しかけられても反応できるし電車のアナウンスだって案外聞こえる。無音イアホン、意外と便利だ。

 

 居合わせた人のつくる雑音や外の喧騒を聴く「4分33秒」が作曲されてから、もう60年以上の時が経った。初演当時は人々を不安でざわめかせた「無音」に、いま私は別の意味あいで強く惹かれてしまう。どこにいっても何かを聴かなくてはならない状況からのがれたい衝動がある。現代に生きる日本人は、楽音のない部屋で澄んだ空白の時間を享受したいと欲するようになったのですよ、とケージに言ったら、なんと答えてくれるのだろう。

 

 そんなようなことを考えてしまったのは、電車の中でよんだこの記事のせい。

 みなさんはどう思われるだろう。

trafficnews.jp

 

 

 

埼玉県新人戦

 夏の全日本吹奏楽コンクール、冬のアンサンブルコンテストに加え、近年新たに年中行事となりつつあるのがこの「新人戦」です。1/14日に埼玉で開かれた、第10回となる新人戦の様子を少しばかり見てきたので、レポートします。

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  埼玉県内の吹奏楽関係、学校関係者で発足し、冬季の比較的忙しくない時期の目標として各校の参加を募ったのがきっかけで、いまやすっかり定着した感があります。

新人戦は3年生引退後の時期に、新たな目標をもって新年度の体制を準備するきっかけにして頂こうと、年明けの1月からコンクールの県予選を開催しています。生徒及び指導にあたっている顧問の先生方がしっかりとした目標をもって活動が行えるよう企画したものです。そのため、競うことだけを目的とせず、他団体の演奏を聴くことで今後の練習のヒントが1つでも見つかればと思っております。

                                (埼玉吹奏楽コンクール新人戦 公式ページより引用)

 申し込みは9月末から受け付け、 申込数の多い場合は抽選になるようです。今年は中学が約60団体、高校が約40団体で、参加費審査料が1団体につき10,000円のほか、参加者1人あたり500円の参加料がかかります。いわゆる「都市吹奏楽フェスティバル」のようなものでも参加料を取るところがあることを考えると、審査員にきちんとみてもらってこの金額なら、検討する学校が増えるのも頷けます。

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The another side:Chicagoひとり旅レポ

MidwestClinic2017という教育音楽の巨大カンファレンスを目的にして
シカゴに4泊5日のひとり旅をしてきました。
吹奏楽以外の部分でも、何かと日本との違いを感じる機会が多かったので
感じたままを素直に書いておこうと思います。

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(ブース編)MidwestClinicはじめてレポート番外編2

これまでコンサートや講座のことばかりお伝えしてきた本レポートですが、
遅ればせながらようやく、それ以外の部分にも触れていきたいと思います。

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 そう、セッションの会場を全て足したのと同じくらい広大な、物販・展示会場についてです。

 

 アメリカのみならず、展示会場面積のランキングで10本の指にはいるマコーミック・プレイス(McCormick Place)は、見本市やモーター・ショー、国際的な学会、さらには大統領が駐留するなど、アメリカではかなり有名な会場です。設備が整っていて綺麗なので比較的新しいと思いきや、なんと運営開始から57年目だというので驚きました。

 また隣にあるホテル、Hyatt Regency McCormick Placeからは内廊下で接続しているので、こちらに宿泊される方が非常に多いようです。(私は今回かなり遠い場所に宿をとってしまいましたが、絶対こちらのほうがいいと思います。夜遅くなるのを気にせずセッションを選び放題なので。)

 

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(食べ物編)MidwestClinicはじめてレポート 番外編1

 さて、ミッドウェストクリニック2017の様子を4日分お届けしてきた訳ですが、クリニックやコンサートの様子以外にもたくさんお伝えしたいことがありすぎるので、番外編としていくつかまとめたいと思います。別にランキング形式ってわけではありませんが、なんとなく【うーん…】→【よかった!】 の順に並んでいます。

 

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MidwestClinicはじめてレポート(その6・23日)

12月20日〜23日の4日間、シカゴはマコーミック・プレイスで開かれていたMidwestClinic2017にはじめて参加した様子をお届けする本レポートも、ようやく最後の1日分となりました。

過去の記事はこちらからどうぞ。

 

 

 巨大な教育音楽のカンファレンス、MidwestClinic2017大会も、最終日となりました。いよいよ今年のメインゲストとして招聘された、広島ウインドオーケストラの演奏がはじまります。

◆11:15~12:30 Hiroshima Wind Ensemble(広島ウインドオーケストラ)

 ちょっと早めに会場入りしていたのですが、マコーミック・プレイスを行き来する人の多くがキャリーケースを引き、帰り支度を整えています。

  じつはこの「ご帰宅モード」の人たち、昨日3日目の夜にはすでにちらほら見かけておりました。今年の日程では最終日が23日。クリスマスを基本的に自宅で家族と過ごすアメリカの人々は、最終日の講演をまたずに会場をあとにする人も一定数いたようです。そうなると俄然気になるのは、一番最後のプログラムである広島ウインドオーケストラをどれだけの方が見にきてくださるかということ。

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